リスティング広告の効果を左右する4要素とは?運用のポイントを徹底解説!
リスティング広告は獲得施策として非常に優秀な施策です。私自身、長年リスティング広告を運用してきましたが、リスティング広告も時代に合わせて進化してきました。 ただ一つ私が運用を始めた時から変わらない事は「何も考えずに適当な運用をしても効果は出ない」という事です。
リスティング広告では成果に繋がらない配信を極力しない事が非常に重要です。「成果につながらない配信をしない」という事をしっかり守って配信すればリスティング広告は効果が出る施策であると断言する事が出来ます。
目次
そもそもリスティング広告における「効果」とは?
まずは前提となる、リスティング広告の効果について整理しますと、大きく以下に分類されます。
効果1.コンバージョン獲得
コンバージョン獲得つまり、商品の購入やサービス申込、資料請求といった「成果の獲得」です。
ご存知の通り、リスティング広告は検索連動型広告と呼ばれ、実際にキーワードで検索したユーザーに対して直接広告を表示させることができます。
そのため、サービスや商品に既に興味のある顕在層にアプローチができるため、いかにコンバージョン獲得に繋げるかが重要です。
効果2.認知度の向上
基本的には、獲得施策向けのリスティング広告ですが、実はブランディング施策としても活用可能です。
例えば、ディスプレイ広告と合わせて活用する事で認知拡大を目的としたプロモーションを最大化する事もできますし、どのような行動をしている人を対象に認知広告を行うかによってキーワードを拡張していくことも可能です。
ただし、獲得を目的とした配信と違い、選択するキーワードやマッチタイプも変わってきますし、より広くキーワードを拾うためには予算感も大きく変わりますので注意が必要です。
リスティング広告で効果を出す4つの考え方
それでは、本題のリスティング広告で効果を出す基本的な考え方や、ポイントについて大きく4観点から紹介していきます。
1.商材・ユーザーニーズへの理解
ユーザーニーズを理解しているからこそ作れるキーワードと広告文
商品を売る、サービスを売る、どちらの場合であっても、商材への理解は必須条件です。 どのような特徴がある商品・サービスなのか、競合他社と比較した際の強み、ユーザーが利用する際のメリット、これらが理解できていなければどのような検索がされるのかも分かりません。
リスティング広告では商品・サービスの特徴とユーザーのニーズを仮説立て、トライアンドエラーを繰り返していくことで、仮説を実績として積み上げていきます。
もちろん、仮説が外れる事もあります。その場合は次の仮説を立て、該当のキーワードを除外する、広告文を変更するといったPDCAを回す事で「成果につながらない配信」を除外していくことが出来るのです。
2.無駄なコストを徹底排除!
「成果に繋がらない配信」を除外するには、ターゲットユーザーの事を知る事も重要な要素です。 ターゲットが明確でないと、前述のニーズを理解する事も難しいですよね。
しかし、お客様のお話を聞いていると、想定されているターゲットと、実際に購入するユーザーとの間に乖離が出ている事も多々あります。
ターゲットの仮説を立てた上で、広告配信結果を見て、本当にそのターゲットが合っているのか再認識する事も重要です。
エリア設定は欲しいエリアではなく、獲得できるエリアで見る
使う場所を選ばない商材の広告配信では全国に向けて配信する事も少なくありません。
例えば化粧品や日用品など場所を選ばず使ってもらう事が出来る商材であればわざわざ場所を絞り込むこともありません。 しかし、リスティング広告の結果を見たときに同じ事が言えるでしょうか? 特に少額予算での広告出稿の場合、より効率の良いエリアがあるなら、まずはそのエリアを中心に配信してみる事も重要です。
広告費は無限ではありません。もちろん全国のユーザーに使ってもらいたいと思って配信しているとは思いますが、いつまでも獲得に繋がらない場所にコストをかけ続ける分けにはいきませんよね。
そのユーザー属性、本当に合っていますか?
Google広告では広告配信するユーザーの属性を設定する事が出来ます。
例えば「育毛剤」と言えば男性が求める商品と思われがちですが、最近では女性向けの育毛剤なども多く出回っていますよね。 同じ育毛剤を販売するにしても、ターゲットの性別を分ける場合もありますし、男女両方に利用いただけるものであれば特に区切る必要はありません。
また、商品・サービスを利用するユーザーの年齢はどうでしょうか? 例えば「美容液」を販売する場合、20代女性に向けた商品なのか、40代向けの商品なのか、はたまた男性向けの美容液という事もあるでしょう。 20代の女性が男性向けの美容液を購入するでしょうか?このように、商品・サービスを購入するであろうユーザーにはいくつかの特徴があるはずです。
不動産の販売を行う企業であれば、まだ購入予定が想定できない人に対して広告出稿するよりも、ある程度世帯年収が高く、住宅購入を検討する層に対して広告配信をしたいと思うはずです。
あなたの商品・サービスを購入してくれるであろう人はどのような人か仮説を立て、実際に行動を起こしたのはどういった人だったのかという結果と突き合わせる事で これまで知らなかったターゲット像が見えてくるかもしません。
スキマ時間か仕事中か?商材によってデバイスの利用傾向は異なる
ユーザーのデバイスはパソコン、モバイル、タブレット、テレビ画面(Googleのみ)のいずれかに分類されています。 あなたの商品・サービスを利用するユーザーはどのようなデバイスから検索行動を起こしているでしょうか?
例えば、美容液や育毛剤と言ったEC商材の場合、多くの人は携帯からスキマ時間で検索をするかもしれませんし、不動産であれば携帯で検索し、いろいろ調べた結果、PCで最終的な比較を行っているかもしれません。BtoB商材であれば、仕事中に探す事も多い為PCからの方がアクセスは増えやすいと言えます。
このように、どのデバイスがあなたのターゲットに適したデバイスなのかを見極める事も重要です。
時間と曜日はターゲットによって変わる
これも考え方はデバイスと同様ですが、商品・サービスをスキマ時間で探している会社員の方なら、朝と夜の通勤時間やお昼休憩、夜寝る前の時間かもしれませんし、不動産であれば家族と一緒に週末に集中するかもしません。
BtoB商材では平日の昼間が中心になる可能性が高いですが、ターゲットが経営者の場合土日関係なく、会社の為に常に思考し、調べているかもしれません。
ターゲットの行動は「こうだろう」という仮説を立てて配信を開始しているならば、本当にその通りなのか検証が必要です。
3.機能しやすいアカウントづくり
リスティング広告にとってアカウントも非常に重要です。 このアカウントの作り方によって、成果にも大きな影響が出ますし効率が良くも悪くもなるのでその役割をしっかり理解してアカウントを構築しましょう。
リスティング広告の要!アカウント設計
リスティング広告のアカウントは「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告」という4つの階層で構成されています。 キャンペーンとは、アカウント構造の中で最も大きな枠組みで、1日の広告予算の設定や配信するデバイス、地域などの設定をする事が出来ます。 商材が複数ある場合などはキャンペーンを分けて利用するのが基本です。
また広告グループとは、キャンペーンの次に大きな枠組みで、入札単価の設定やキーワードの設定、広告文の設定などが可能です。 キーワードや広告文は実際のユーザーの目に触れる部分であるため、広告グループの作成はアカウント設計の中でも最も重要な役割を持ちます。
また、Aの広告グループとBの広告グループで同じキーワードが入稿されてしまうと、ユーザーが検索した際にアカウント内で「どっちを出すか」というアカウント内競合も起こります。 これは、結果的にCPC(クリック単価)を引き上げてしまう原因にもなりますので注意が必要です。
品質スコアの改善で効率の良い配信を目指す
品質スコアとはGoogleが定める広告の「品質」の目安となる指標です。
広告の掲載順位などを決定する指標で、1~10段階で評価され、この指標が高いほど広告の品質が高い事を表します。 品質スコアは広告の品質を示す指標ですが、この品質を高める事で、広告掲載に必要なCPC(クリック単価)を抑えて配信する事が可能になります。
この品質スコアを改善するためには様々な要素がありますが、 検索されたキーワードに対してユーザーがクリックするであろう「推定クリック率」、検索されたキーワードに対しての「関連性」、そしてリンク先のランディングページ(LP)でも その関連性と利便性が重要になります。
関連性とクリック率を改善する広告表示オプション
広告表示オプションとは検索結果に広告が表示される際、広告と一緒に追加で情報を表示できる機能です。 設定することで、タイトルや広告文では説明しきれなかった情報を追加したり目的別にリンクを追加する事も出来ます。
また、広告の表示エリアが広がる為、クリックされやすい傾向もあるため、前述の「推定クリック率」への影響も期待できます。
Googleの優秀なAIを活用できる自動入札
自動入札とは、広告を出稿する際の入札単価を自動調整してくれる機能です。 獲得を最大化したい、CPAを守って獲得したい、クリック数を最大化してサイト誘導数を増やしたいなど、目的に応じて設定する事が出来、 広告配信した結果からAIが学習し、目的に沿って最適な入札をしてくれます。
目的に沿って常に学習して賢くなり24時間入札を監視してくれる為、学習さえしっかりできていれば非常に効率のよい結果を得る事が出来ます。 ただし、「学習さえしっかりできていれば」という点を見逃してはいけません。 AIは広告配信の結果から学習して入札を行います。
そのため、配信コストが少なく得られる結果から学習できる情報が少ない場合は学習に時間がかかり、特に初動は効率が悪化する場合もありますので利用には注意が必要です。
4.成果率(CVR)の改善検証
成果率(CVR/コンバージョン率)とは、目的のページにアクセスしてきたユーザーがどの程度コンバージョンに至ったのかを示す率です。 どんなに効率的にユーザーが訪問してきても、この成果率(CVR)が悪ければ無駄のない広告とは言い難いでしょう。
では成果率(CVR)はどのように改善するのかについて説明します。
コンバージョンを増やすLPO対策
LPOは日本語にすると「ランディングページ最適化」です。 ページの訪問者は少なくないのに何故かCVに繋がらないとお悩みの方も多いでしょう。 LP制作の際、ターゲットに対して自社の強みを伝えるだけではCVは得られません。実際に商品・サービスを利用するユーザーが共感し、理解してくれるページを作る事が大切です。
そのためには、どこでユーザーが離脱しているのか、こちらが伝えたい事を本当に読んでくれているのか知る事も重要です。 ヒートマップツールなどを活用し、ユーザーがどこで離脱しているのかを知る事でコンテンツの入れ替えや見直しを行いましょう。
また新たなLPを作ったら、過去のLPとABテストをする事もお勧めします。 ABテストの結果、新しいLPのCVRが改善すれば仮説は合っていた事になりますし、さらに仮説を立てて、ABテストを繰り返していくことで、 より効率的にコンバージョンを得る事が出来るようになります。
コンバージョン率を劇的に改善する!?EFO対策
EFOは日本語にすると「入力フォーム最適化」です。 商品・サービスを購入、申し込む際にはユーザーが直接フォームに情報を入力しますが、このフォームが必要以上に入力項目が多かったり、 入力しづらいフォームになっているとせっかくフォームまで誘導出来たとしても、フォームで離脱されてしまう事も多々あります。
よくあるのは、ラベルが見にくく何を書いてほしいのか分からない、全角と半角どちらで入力したらいいのか分からない、 エラーが出た際に、どこが間違えているのか分からないと言った事が上げられます。 言われてみると確かにそうだなと思う事もあるかもしれませんが、貴社のフォームでは分かりやすく入力しやすいフォームになっているでしょうか?
フォームまで到達はしているのに何故か離脱が多いのであればEFOは必須の対策です。
そのCPA目標は本当に適切ですか?
すでにご存じで、しょうがCPAとは「獲得単価」を指します。 CPA目標は獲得したい結果(商品購入、資料請求)に対していくらかけられるのかを表した数値ですがもちろん安いに越したことはありませんよね。
しかし、この目標設定は実は非常に重要です。例えば、不動産売買では1契約で数千万の売上が見込めますが、この1成約に繋がるリードを1000円で獲得できるでしょうか?答えはNOです。 CPAはただ安ければ良いというものでもなく、最適な目標を設定しなければなりません。ひたすら安いCPAを目標に設定してしまうと最適な広告費はかけられませんし、最適な広告費がかけられないと出すべきキーワードに出稿できず機会損失を引き起こす要因にもなります。
ここでは、目標CPAを考える上で必要な要素を整理しましょう。
限界CPAから利益を残して計算する
限界CPAとは商品単価から原価を引いた金額です。
例えば商品単価が10,000円、原価が7,000円であれば限界CPAは3,000円になります。 しかし、限界CPAを広告費として使っていては利益が残りませんよね、なのでここから利益として残したいのはいくらかを計算します。
また、経費として使うお金がある場合はそこも加味しなければなりません。 商品単価が10,000円、原価が7,000円、経費として使うお金が500円、利益として残したいのが1000円、だとすると 10,000円-7,000円-500円-1,000円=1,500円、つまり1500円が目標CPAになります。
この時、利益(ここでは1000円)をもっと増やしたいと考える人も多いと思いますが、いくらで獲得できるのか分からない商品にいきなり低い目標を設定するのは危険です。 まずは最低限この範囲であればOKという目標の中で広告配信をした上で、配信した結果から、効率の改善などを行い、どこまで改善できるのかを見極めます。その結果、より利益を出すための目標に見直しを行う事も可能になるでしょう。 無理な目標設定では成果が出せるはずの広告でも出せない結果になります。
なぜなら、リスティング広告は常にトライアンドエラーを繰り返す事で無駄を省いていくため、最初から無駄のない効率の良いリスティング広告というのは存在しないからです。
LTVを考える事で最適なCPAが算出できる
LTVとは「顧客生涯価値(ライフタイムバリュー)」の事で、ある顧客から生涯にわたって得られる利益の事を指します。
貴社の商品・サービスが継続的に利用されるもので、その価値があるとユーザーが判断すれば、1度の取引では終わらず継続的な利益を得る事が出来ます。
1商品1回あたりの売上は10,000円かもしれませんが、このユーザーが毎月商品・サービスを利用し、5年間契約が継続されるのであれば (10,000×12か月)×10年=1,200,000円の売上になり、LTVを加味すると、1CVあたりの価値は劇的に変化します。
なぜなら、1CVを得る事で継続的に得られる利益が増えるわけですから、1ユーザーが1回の契約で終わってしまう商品・サービスよりもかけられるコストは変わってきますし、そのように継続的に利用する商品・サービスであれば、ユーザーも慎重に選ぶ事になります。
同じ10,000円の商品・サービスであっても中長期的な視点をもって考えるのと目の前の成果だけを考えるのとでは大きな違いが生まれるのです。
まとめ
リスティング広告ではそもそものアカウント構築から始まり、ターゲットとその行動理解、ニーズの理解、そして運用の改善と多くの要素から小さな無駄を排除していくことで成果に繋がらない配信をなくしていきます。
そして、実は「必要な無駄」というものも存在します。初回でクリックしたキーワードと、コンバージョン(CV)するキーワードが違う場合がこれに該当しますが、まだ潜在的なニーズである段階で接触できていれば比較検討の際に貴社の商品・サービスがその枠に入る事が出来るからです。
効率よく、「成果に繋がらない配信」を排除する事は、全ての無駄を排除する事ではなく、必要な無駄を残しながら最適な配信を行う事が重要です。
しかし、このような「必要な無駄」を残しながら不要な無駄を排除するには広告配信結果の分析や商品・サービスの理解、LPOやEFO、広告費の最適化など実に様々な改善も必要になります。
株式会社デジタルトレンズには多くの経験豊富な運用者、コンサルタントが在籍しており、長年の運用経験を活かし「成果に繋がらない配信」を徹底的に排除する事で「効率のいいリスティング広告」の実績を残してまいりました。Web広告の戦略からお手伝いさせて頂き、運用実績も多く持っていることから、親身に対応するweb広告代理店として多くの企業様ににご好評いただいております。広告の効率を改善したいとお悩みの企業様はまずはご相談ください。
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