【今更聞けない】IT補助金って?補助金の対象物について解説
目次
IT化補助金とは
IT化補助金とは厳密にはIT導入補助金と呼ばれる、経済産業省によるIT促進化の一環として用意された補助金です。
行政は民間事業者に対し、様々な補助金を用意することで、産業や事業を支援しています。IT化補助金もその一環として用意されたものです。
そこで本記事では、IT化補助金とはどのような特徴を持つものなのかや、補助対象者、助成金の金額など様々な点について解説します。
IT化補助金の背景
IT化補助金が用意された背景にはいくつかの理由があります。 まずは少子高齢化による労働者不足解消のための働き方改革です。
これまでは、いわば「質より量」な働き方にて成長を遂げました。高度経済成長期に経済大国として成長できたのも、多くの人口を誇る国だったからこそです。
しかし近年は総人口だけではなく、少子高齢化による労働者不足が顕著となったことで、質より量ではなく、量より質への見直しが進んでいます。
また、コロナ禍によって非対面や低接触型のビジネスの推奨とも方向性が合致することから、IT化補助金が設定されました。
補助金の額面
IT化補助金にはA類型とB類型が用意されており、それぞれ補助金が異なります。
A型類は30万円~150万円未満、B類型は150万円~450万円以内となっており、いずれも補助率は1/2以内に設定されています。
また、低感染リスク型ビジネス枠に関しては補助率は2/3以内で、下記の3種類に分類できます。
C-1類型:30万円~300万円未満 C-2類型:300万円~450万円未満 D類型:30万円~150万円以内 こちらは非対面化ツールの導入が必須となっており、D類型に関してはクラウドへの対応が求められるなど、IT化補助金としての側面も有しています。
IT化補助金の補助対象者について
→誰がIT化補助金を受け取る資格があるのかの説明です IT化補助金は決して誰しもが受け取ることのできる補助金ではなく、条件が設けられており、条件を満たしてこそ申請からの受給となります。 そこでIT化補助金の対象者についても見てみるとしましょう。
補助金の対象者
IT化補助金の対象は業種・常時従業員数によって条件が異なります。 主な業種と資本金、常勤従業員の数は下記となっています。
業種 資本金 従業員数 製造業、建設業、運輸業 3億円以下 300人以下 卸売業 1億円以下 100人以下 サービス業 5,000万円以下 100人以下 小売業 5,000万円以下 50人以下 ソフトウェア業 3億円以下 300人以下
下記は資本金ではなく、従業員数のみが対象となります。
商業・サービス業:5人以下 サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下 製造業その他:20人以下 また、交付申請時、日本にて登録されている個人・法人であり、かつ日本国内にて事業を行っていること、さらには交付申請の直近月にて申請者が営む事業所の最低賃金が、地域の定める最低賃金以上であること等が条件となっています。
申請条件を満たしているか
IT化補助金の対象は上記にて紹介させていただきましたが、申請条件を満たしているか否かが問われます。
先に従業員や資本金額をお伝えしましたが、満たしているから補助金を受けられるのではなく、満たしていることで申請が可能になるだけです。
他にも1申請事業者につき1つの携帯電話番号を登録する必要があります。これは申し込みに対し、SMSにてやり取りする必要があるからです。
また、補助を受けることで1年後の生産性の伸び率が1年で3%、3年で9%以上、あるいは同等となるための数値目標を作成し、生産性向上に関する情報を事務局に報告しなければなりません。
IT化補助金は経済産業省が設定するすべての条件を満たしてこそ、申請が可能になります。
IT化補助金の対象となるITツール
IT化補助金は職場環境のIT化を目指すものですが、IT化となるツールはある程度分類されています。 この点は分類によって異なりますので、それぞれ何を導入する必要があるのかについてをご紹介しましょう。
大分類I ソフトウェア
ソフトウェアとして分類されているものは、単体・連携型双方のソフトウェアです。
ソフトウェアにて接客対応や販売支援、決済、供給や物流といった経済産業省が指定する業務の補助を実践する必要があります。
ソフトウェアは大掛かりなものです。 全て自費で導入するとなれば多額の予算を計上する必要がありますが、IT化補助金であれば定められた割合の補助が待っていますのでソフトウェアの導入を検討している場合、IT化補助金を活用することで、費用負担を軽減できます。
単体であれ連携型であれ補助対象になるので、多くのソフトウェアが対象だと考えてよいでしょう。
大分類II オプション
オプションとして分類されているこちらのカテゴリーに該当するのはデータ連携ツール、セキュリティ、拡張機能です。
いずれも貴重な役割を果たすものです。特にセキュリティに関しては、近年注目度が高まっています。データを扱うためにはセキュリティも考慮しなければなりませんが、費用の面で躊躇していた企業もあるかもしれません。
しかしセキュリティもIT化補助金の対象となっていますので、導入を考えているのであれば、良いタイミングです。 また拡張機能やデータ連携ツールの導入を検討していた場合も同様です。
大分類III 役務
役務とは、IT環境導入のためのコンサルティングや導入設定、マニュアル作成や導入の研修、保守サポート、ハードウェアレンタルを対象としたものです。
これからIT環境の導入を検討している企業にとって、分からないことも多いのではないでしょうか。導入したいとは思っても、そもそもどのような選択肢があるのかや、導入することで具体的にどのようなメリットがあるかが不明瞭というケースも多いことでしょう。
それらの疑問を解消してくれるのがコンサルティングですが、その費用も補助対象となっていますので、導入のタイミングとして適しています。
IT化補助金申請の注意点
IT化補助金は職場環境のIT化のための費用を補助してくれるので、IT化を検討していた事業者にとって大きなチャンスです。 一方で、補助金の申請・受取において注意しておくべき点もありますので覚えておきましょう。
条件を満たしているのか
IT化補助金は行政が用意するものです。そのため、条件を満たしていることが大前提であると共に、申請条件や方法等、すべての面において例外は許されません。
IT化補助金を申請する企業はすべて条件を満たしているかをチェックされます。
それまで行政と付き合いがあるとか、行政の案件を受けたことがあるだとか、行政との距離感が近いとしても、条件を満たしていなければIT化補助金を受け取ることはできません。
スケジュール
IT化補助金は常に募集されている補助金ではありません。
公募によって複数回の締め切りを予定しているものなので、スケジュールを確認しましょう。 条件を満たしているとしても、申請期間でなければ申請はできません。
申請スケジュールに関しては経済産業省やIT導入補助金2021の公式サイトにて掲載されますので、タイミングを見計らって申請しましょう。
また、こちらは予算枠のあるものなので、条件を満たしていても必ず申請が通るとは限りません。
WEBからの申し込みのみ
ある意味では最もハードルが高い部分かもしれません。
IT化補助金の申請はWEBからのみです。従来の補助金や給付金の申請は紙の書類が基本でした。
しかしIT化補助金ではWEBからのみとなっていますので、IT環境があることが大前提です。
申請そのものはIDを取得し、IT導入補助金のサイトから申し込むものですが、これまでWEBからの申し込みを行ったことがない場合、戸惑う部分も多々あることでしょう。
まとめ
IT化補助金はこれからIT環境をと考えている企業にとっては渡りに船です。
申請することで、ある程度の割合を補助してもらえる貴重な制度になりますので、この機会にIT環境を推進してみるのも良いでしょう。
一方で、申し込みに関してはWEBからのみで、かつ様々な条件が用意されています。元来行政への認可・申請は難しい部分があり、慣れていないとハードルの高さを感じさせるものでした。
IT化補助金に関しては申し込みがWEBからのみとなっていますので、初めてWEBから申し込むという人もいることでしょう。そのため、万全を期しての申請が求められます。
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