TikTok Spark Adsとは？メリットやデメリット、導入・設定方法、費用感などを解説

TikTokは、10代や20代に人気のSNSのひとつです。主にショート動画を中心としたコンテンツが配信され、端的にわかりやすい情報発信が可能なツールです。企業のマーケティングツールとしても利用されており、広告の配信もできます。

本記事では、TikTok広告の1つであるTikTok Spark Adsについて概要やメリット、デメリットなどを解説します。

TikTok広告の運用を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

TikTok Spark Adsとは？

TikTok Spark Adsは、ユーザーが投稿したオーガニック動画をTikTokのタイムライン上に流せる広告フォーマットです。

また、TikTok Spark Adsでは、投稿された動画や音源、投稿文をそのまま広告に利用できます。通常の広告文では使用できない絵文字やハッシュタグも、TikTok Spark Adsを利用すれば広告配信に反映されます。

ただし、インフルエンサーや一般ユーザーの投稿を使用する際には、投稿主の許可を取る必要があります。

TikTok Spark Adsのメリット

TikTok Spark Adsには、さまざまなメリットがあります。

運用で活かせるように、それぞれの内容を確認していきましょう。

オーガニック投稿を広告に利用でき広告感が薄い

TikTok Spark Adsには、通常のTikTok広告よりも広告感が薄い点がメリットです。これは通常のTikTok広告とは異なり、オーガニック動画（投稿された動画）を広告として配信できる点が影響しています。

そのため、ユーザーは「広告」という意識を持つことなく、コンテンツを楽しめます。広告主としては、オーガニック動画を利用することで、ユーザーとの信頼関係も構築しやすいでしょう。

CTAボタンを入れられる

通常、オーガニック動画にはCTAボタンをつけられません。そのため、ユーザーにWebサイトへアクセスしてもらうためには、プロフィールの情報を確認してもらったり、動画視聴後に自ら検索してアクセスしてもらう必要があります。

しかし、TikTok Spark Adsでは、オーガニック動画にCTAボタンを追加できます。広告色の薄い特徴もあり、ユーザーにとってストレスなくWebサイトやアプリストアに誘導できるでしょう。

ターゲティング機能で多くのユーザーにリーチできる

TikTok Spark Adsにはターゲティング機能があり、特定のユーザーにピンポイントな広告配信が可能です。

通常の投稿では、動画が必ずしも狙ったターゲットにリーチできるとは限りません。また、ターゲットの絞り込みも難しく、投稿後の拡散に至らないこともあるでしょう。

TikTok Spark Adsではターゲティングの精度を高められるため、効率的な広告運用につながります。

アカウントの力を伸ばせる

TikTok Spark AdsはTikTokアカウントと連携しており、広告からのフォローやプロフィールへの移動が可能です。そのため、TikTokアカウントのフォロワー獲得にも効果的です。

また、広告以外の動画をユーザーに見てもらえる場合があります。広告配信だけではなく、フォロワー獲得やほかの動画へ誘導したい場合は、TikTok Spark Adsを活用してみましょう。

TikTok Spark Adsのデメリット

TikTok Spark Adsには、いくつかのデメリットがあります。運用前に確認し、対策を考えておきましょう。

広告動画を変更できない

TikTok Spark Adsの広告に使用する動画は編集できません。テキストや音楽を変更しても、元の内容のまま配信されます。

そのため、動画内に意図しないブランドの商品やサービス、著作権に抵触する要素が含まれていないか確認しておきましょう。

コンバージョンにつながりづらい

TikTok Spark Adsは、コンバージョンにつながりづらい場合があります。オーガニック動画を使用するため、通常の広告動画よりも訴求力が弱まるからです。

しかし、オーガニック動画はユーザーの興味を惹くために投稿される場合もあり、視聴数や視聴時間を増やせます。

そのため、TikTok Spark Adsを使用する際には、コンバージョンよりも認知拡大に焦点を当て、ほかの動画や広告と組み合わせて展開してみましょう。

著作権に注意が必要

TikTok Spark Adsに限った話ではありませんが、著作権には十分に注意してください。投稿内で著作権に抵触している音源を使用すると、広告の配信はできません。

商用利用が可能な音楽はTikTok出も用意されているので、ライブラリから選んで利用してください。ライブラリにない音源を利用する際は、楽曲提供者やTikTok側に許可を取る必要があります。

TikTok Spark Adsの導入・設定方法

TikTok Spark Adsはオーガニック動画を使用するため、通常の広告とは異なる設定が必要です。ここでは、ビジネスアカウントと連携させる方法と承認された投稿を配信する方法を紹介します。

ビジネスアカウントを連携させる場合

ビジネスアカウントを連携させる方法として、TikTokビジネスセンターと連携する方法を紹介します。

まずはTikTokビジネスセンターにログインし「アセット」から「TikTokアカウント」を選択してください。そこで、「TikTokアカウントを追加」をクリック、広告配信権限の選択画面で「動画権限」をオンにして「QRコードを生成」します。

その後、TikTokビジネスアカウントの友だち追加からQRコードを読み込んでもらうと連携が完了します。

ただし、連携だけでは、TikTokビジネスアカウントの投稿を広告に利用できません。広告を利用する際は、TikTokビジネスセンターからTikTokビジネスアカウントへアクセス権限を付与してください。

手順としては「アセット」の「TikTokアカウント」からメンバーを割り当てたいTikTokアカウントを選択し「新しいメンバーを割り当てる」をクリックすると広告利用が可能です。

広告の作成方法

ビジネスアカウントを連携させた際の広告の作成方法も確認しておきましょう。はじめにキャンペーンと広告セットを設定し、広告の設定画面で「TikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信」の設定をオンにします。

次に広告フォーマットを「動画」に設定し、対象の投稿動画を選択してください。その後、広告テキストやリンク先URLなどを設定して広告を完成させます。

承認された投稿を配信する場合

ユーザーが投稿した動画を広告として配信したい場合は、アカウントの広告設定の許可を取得しましょう。

まずはアカウントのプロフィールページから「クリエイターツール」を選択します。次に歯車マークをタップし「広告設定」をオンに設定してください。

その後、広告に利用する動画を選択し「広告設定」を選択しましょう。広告使用承諾をオンにし、有効期間を選択して承諾します。

コードが表示されるのでコピーしておいてください。広告としてのみ表示する場合は「広告としてのみ表示」をオンに設定しましょう。

最後に、広告マネージャーのクリエイティブライブラリに動画を追加します。広告マネージャーを開き「クリエイティブライブラリ」「Spark Ads投稿」と順に選択してください。取得したコードを入力し、対象の動画の表示名・テキストを確認して完了です。

TikTok Spark Adsの課金方法

TikTok Spark Adsの課金方法は5種類あります。

課金方式
特徴
仕組み
CPM（インプレッション課金型）
リーチ数に重点を置いた入札方式
1,000回表示あたりのコストで入札を行い、広告主の予算設定に応じて広告の露出を高める。インプレッション単価が入札設定額に近くなるように調整。
oCPM（最適化インプレッション課金型）
広告が最適化されたユーザーに自動的に配信される方式
1,000回表示ごとのコストを基に入札が行われ、コンバージョンやアプリインストールなどのイベントを達成する可能性が高いユーザーに広告を配信。
CPC（クリック課金型）
クリックあたりの広告コストで入札を行う方式
クリックする可能性の高いユーザーに広告が配信され、クリックあたりのコストが入札提示額に近づくよう調整。
CPV（再生課金型）
動画再生1,000回あたりのコストで入札を行う方式
動画の再生回数を最大限に高め、再生1,000回あたりのコストが入札設定額に近づくよう調整。
6s Focused View課金
6秒以上の動画視聴または6秒以内のエンゲージメントごとに課金
6秒以上視聴する、もしくはエンゲージメントする可能性の高いユーザーに広告が配信。

予算や運用目的に応じて課金方法を検討しましょう。

TikTok Spark Adsの費用感

TikTokのSpark Adsでは、広告主が自由に予算を設定できます。最低出稿金額は2,000円からとなっており、少額の予算でも広告運用を始めることが可能です。

支払方法は、自動決済（後払い）とチャージ払い（事前入金）の2種類があります。自動決済はクレジットカードからの引き落としで、複数回の広告出稿に便利です。

チャージ払いは事前に入金した金額からの引き落としとなるため、予算管理がしやすいですが入金を忘れると広告が配信されません。

それぞれの特徴を考慮して、自社に合う支払方法を選びましょう。

TikTok Spark Adsの導入事例

TikTok Spark Adsの導入事例は多岐にわたります。たとえば、TikTok Japanはフォトモードの広告に人気クリエイターの金子みゆさんを起用し、TikTok Spark Adsを活用しました。

インフルエンサーや実際のユーザーコンテンツを使用し、信頼性が高く説得力のある広告を展開しています。結果として、リンクを通じたコンバージョン率を高めることに成功しています。

味の素は「#チャー活」をキーワードにTikTok Spark Adsを活用し「香味ペースト」のPRを展開しました。約200人のクリエイターを対象にした長期キャンペーンで、1000万を超えるインプレッションと5%を超えるエンゲージメント率を達成しています。

さまざまな事例に触れて、TikTok Spark Adsの導入に活かしましょう。

まとめ

TikTok Spark Adsはクリエイターが投稿した動画を広告として利用でき、ブランドや商品の認知度拡大に効果があります。クリエイティブを用意する必要がないため、広告運用のコスト削減にもつながるでしょう。

ただし、コンバージョンの獲得には課題があるため、広告運用の目的や戦略を踏まえて展開してください。

すでにTikTok Spark Adsを活用している事例もあるので、参考にしながら取り入れてみましょう。