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AI Overviewとは?SGEとの違いや使い方、対策方法を解説

投稿日:2025.08.14

AI Overviewとは?SGEとの違いや使い方、対策方法を解説

ユーザーの検索行動が変化しつつあるこの時代、Google検索に新しく導入されたAI Overview(オーバービュー)の機能について、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。

本記事では、AI Overviewの概要から使い方、SGEとの違い、そして効果的な対策方法まで詳しく解説します。

今まで行っていたSEO対策が集客につながりにくくなったと感じている人は、ぜひ参考にしてください。

AI Overview(オーバービュー)とは

ここでは、AI Overviewの概要やAI OverviewとSGEの違いについて解説します。

AI Overviewの概要

AI Overview(オーバービュー)は、Googleが開発した人工知能を活用した検索機能です。

従来の検索結果では、複数のWebページのリンクが表示されるだけでしたが、AI Overviewでは、検索クエリに対してAIが包括的な回答を生成し、検索結果の上部に表示します。

この機能のおかげでユーザーは、より速く求める情報の獲得が可能になりました。

AI Overviewは、複数の情報源から関連性の高い内容を統合してまとめて提示します。

また、特に複雑な質問や多角的な情報が必要な検索において、AI Overviewが持つ力を発揮し、ユーザーの検索体験における利便性を大幅に向上させています。

AI Overviewは情報を提示する際、EEATが考慮された信頼性の高いサイトや上記記事を参照しており、詳細な情報が必要な場合は元のサイトにアクセスできる仕組みになっています。

AI Overviewはいつから導入されたのか

AI Overviewは、2023年にGoogleの実験的機能「Search Generative Experience(SGE)」(エスジーイー)として初めて導入されました。

当初は限定的なユーザーを対象とした試験運用でしたが、2024年5月のGoogle I/Oカンファレンスにおいて、正式にAI Overviewとして一般公開されることが発表されました。

日本国内では、AI Overviewの展開が2024年8月から段階的に開始され、2025年3月のコアアップデートから顕著に表示され、現在では多くのユーザーがこの機能を利用できるようになっています。

また、導入当初は英語圏を中心とした展開でしたが、現在では日本語を含む多言語での対応が実現されています。

導入の背景には、ChatGPT(チャットジーピーティー)などの対話型AI検索サービスの急速な普及があります。

Googleは、従来の検索エンジンとしての地位を維持しながら、より効率的な情報提供を実現するため、AI技術の積極的な導入を進めています。

3つのモード

AI Overviewには、ユーザーのニーズに応じて選択できる3つの表示モードが用意されています。

日本において、現段階ではSimplerモードのみ提供されています。

Simpler(簡略)モード

Simplerモードは、最も簡潔な回答を提供するモードです。

Simplerモードは、短時間で基本的な情報を把握したいユーザーに適しており、要点を絞った内容が表示されます。

このモードでは、複雑な詳細は省略され、核心的な情報のみが提示されるため、時間がないユーザーや基本的な理解を求めるユーザーに人気があります。

表示される文字数は比較的少なく、読みやすさを重視した構成になっています。
また、関連する画像や図表も最小限に抑えられ、視覚的な負担を軽減しています。

Original(標準)モード

Originalモードは、バランスの取れた詳細度で情報を提供するデフォルトのモードです。

多くのユーザーにとって最適な情報量と詳細度を提供しており、一般的な検索クエリに対して適切な回答を生成します。

このモードでは、重要なポイントを網羅しながらも、過度に詳細になりすぎないよう調整されています。関連する画像や補足情報も適度に含まれ、理解しやすい構成になっています。

Break it down(詳細)モード

Break it downモードは、最も詳細な情報を提供するモードです。

Break it downモードは、専門的な知識や深い理解が必要な場合に適しており、包括的な回答が表示されます。

このモードは、学術研究や専門的な調査を行うユーザー、または特定のトピックについて徹底的に理解したいユーザーに推奨されます。

また、このモードでは、複数の視点からの分析や詳細な説明が含まれ、関連する統計データや具体的な事例も豊富に提示されます。

【表で比較】AI OverviewとSGEの違い

項目 AI Overview SGE
正式名称 AI Overview Search Generative Experience
提供開始 2024年5月から正式公開 2023年から実験的導入
利用範囲 一般公開 限定ユーザー(終了)
表示モード 3つのモードから選択可能 固定表示
多言語対応 日本語を含む多言語対応 主に英語
機能の安定性 安定した機能の提供 実験段階
ユーザーフィードバック 組み込み済み テスト段階

上記の表からAI Overviewは、より多くのユーザーが利用しやすくなっていることがわかります。

SGEとは

SGE(Search Generative Experience)は、AI Overviewの前身となる実験的機能のことです。

この機能は、2023年にGoogleが導入した生成AIを活用した検索体験向上のためのプロジェクトで、限定的なユーザーグループを対象として試験運用が行われていました。

SGEの主な目的は、従来のキーワードベースの検索結果から、より対話的で包括的な情報提供への移行を図ることでした。

この目的を達成するため、ユーザーからのフィードバックを収集しながら、AI技術の改良と最適化が継続的に行われました。

SGEで得られた知見と技術的改良点は、現在のAI Overviewに活かされています。

特に、情報の正確性の向上、応答速度の最適化、ユーザーインターフェースの改善などは、SGE時代の実験結果を基に実現されています。

AI Overviewの導線は変わりつつある

AI Overviewの導線は、継続的に進化しています。

例えば、「エンジニア」と調べると、エンジニアの説明だけでなく、テスト(エンジニアの仕事内容の一つ)まで提示してくれます。

このため、ユーザーは一度の検索でより深い理解を得ることができます

AI Overviewの使い方

ここでは、AI Overviewの使い方について詳しく説明していきます。

Google Chromeを起動する

AI Overviewを利用するには、まずGoogle Chromeブラウザを起動します。

ブラウザを起動したら、Googleアカウントにログインしているかどうかを確認してください。

ログイン状態により、AI Overviewの表示や機能が変わる場合があります。

検索実験機能(Search Labs)のページへ移動する

次に、Google検索の実験機能を管理するSearch Labsのページにアクセスします。

Search Labsには、Googleの検索ページで「labs.google.com」にアクセスするか、Google検索ページの右上にある実験アイコンをクリックすればアクセスできます。

Search Labsは、Googleが新しい検索機能をテストするためのプラットフォームで、ユーザーは最新の実験的機能を先行して体験できます。

AI Overviewの機能をオンに設定する

Search Labsページで、AI Overviewの機能をオンに設定します。

設定は即座に反映され、通常の検索クエリでAI Overviewが表示されるようになります。

なお、すべての検索でAI Overviewが表示されるわけではなく、AIが適切と判断した検索クエリにのみ表示される仕組みになっています。

参考:Google 検索 ヘルプ

AI Overviewの対策方法8つ

ここでは、AI Overviewの対策方法を8つ紹介します。

E-E-A-Tを意識したコンテンツを作る

AI Overviewで引用されやすいコンテンツを作成するには、E-E-A-Tを意識することが重要です。

実際の経験に基づいた内容、専門知識の深さ、権威性、そして信頼性の4つの要素を満たすコンテンツが、AI Overviewに選ばれる可能性が高くなります。

具体的には、著者の専門性を明示したり信頼できる情報源からのデータを活用したりすることが効果的です。

また、実際の体験談や事例を含めることで、コンテンツの価値をさらに高めることができます。

質問形式をコンテンツに取り入れる

AI Overviewは質問に対する回答を生成する機能であるため、コンテンツ内に「よくある質問」や「Q&A」セクションを設けることで、引用される可能性が高まります。

ユーザーが実際に検索しそうな質問を考え、それに対する詳細で有用な回答を提供することで、AI Overviewの情報源として選ばれやすくなります。

独自のデータを使ったコンテンツを作る

他のWebサイトにはない独自の調査データや統計情報を含むコンテンツは、AI Overviewで高く評価されます。

例えば、オリジナルの研究結果、アンケート調査、実験データなどを活用することで、コンテンツの独自性を高めることができます。

自社メディアである塾や家庭教師・予備校を比較するサイトである「Study Search」では、動画を記事に差し込んだところ、順位が上がりました。

UX(ユーザー体験)を高める

AI Overviewにおいて、Webサイトの読み込み速度、モバイル対応、ナビゲーションの使いやすさなど、総合的なユーザー体験の向上も重要な要素です。

ユーザービリティが高いとSEO評価も高くなり、順位が上がりやすくなります。

AI Overviewは掲載順位の高いサイトを参考にすることが多いため、ユーザビリティの向上は不可欠です。

構造化データをスキーママークアップで追加する

JSON-LDや構造化データマークアップを適切に実装することで、AIが情報を理解しやすくなります。

具体的には、FAQ、記事、製品情報などの構造化データを追加することで、AI Overviewが引用する確率を高めることができます。

ドメインパワーを強化する

信頼性の高いドメインからのコンテンツは、AI Overviewで引用されやすい傾向があります。

SEO対策のツールなどで算出されるGoogleからの信頼性を数値化した指標である「ドメインパワー」が高いほど信頼性が高いとされ、SEOにおいても評価が高まりやすい傾向にあります。

ドメインパワーを強化する具体策として、継続的な質の高いコンテンツ公開、他の権威あるサイトからの被リンク獲得、他社メディアへの寄稿などが挙げられます。

狙いたいキーワードでSEO対策を行い上位表示を獲得する

従来のSEO対策による上位表示は、依然としてAI Overviewでの引用に重要な影響を与えます。

実際、弊社の調査ではドメインパワーが高いサイトほど引用される割合が多いことがわかっています。

検索結果の上位に表示されているコンテンツは、AIによって参照されやすく、結果としてAI Overviewに掲載される可能性が高まります。

関連記事:SEOの「権威性」を高める7つの方法を徹底的に解説

PR施策で指名検索数や言及率を増やす

比較記事への掲載交渉や広告を併用した認知拡大により、商品・サービス・社名の指名検索数が増加し、AI Overviewでの言及率向上が期待できます。

実際、AI Overviewに引用されている参照元を確認すると、他社の比較記事から参照されているケースが多いことが弊社の調査でわかっています。

また、FacebookやInstagramなどのMeta広告におけるデマンドジェネレーション広告は、潜在層の顧客に対して効果的です。

よくある質問

ここでは、AI Overviewに関する質問に答えていきます。

AI Overviewが表示されないときの対処方法は?

質問の仕方を変える

検索クエリをより自然な文章形式に変更し、具体的で詳細な質問として入力してください。

単語の組み合わせよりも、完全な文章での検索が効果的です

例えば、「AI Overview 表示されない なぜ」と調べるよりも、「AI Overviewが表示されない理由」と調べる方が、AI Overviewに表示されやすくなります。

個人のGoogleアカウントでログインする

企業アカウントではなく個人のGoogleアカウントでログインし、Search Labsでの設定が有効になっていることを確認してください。

AI Overviewの掲載順位はなぜ動くの?

AI Overviewの掲載順位は、Googleのアルゴリズムによる継続的な学習と最適化により変動します。

実際、海外のSearch Engine Landによると、AI Overviewの掲載順位は12.1%が1位以下となっていると記載されています。

AI Overviewをスルーし、特定のキーワードの自然検索結果のリンクをクリックしている場合、Googleはそのキーワードに表示されるAI Overviewの掲載順位を下げる可能性があるという見解です。

このため、キーワードやコンテンツの質によってはAI Overviewよりも上位に表示され、従来通り検索流入を促せる可能性があります。

※参考:Search Engine Land Google AI Overviews rank below Position 1 in 12.4% of cases: Study

AI Overviewでの引用は計測できるの?

※AI Overviewへの表出推移をLooker Studioでまとめたもの

Google Search Console(グーグルサーチコンソール)では、AI Overviewに掲載されているページは1位で表示されてしまうため、注意が必要です

AI Overviewの表出率の計測は、SEOツールを使えば可能です。

例えば、ahrefs(エイチレフス)であれば、表示したクエリや表出数、表示内容、参照元URLを計測できます。

まとめ

AI Overviewは、Google検索の新たな標準となりつつある重要な機能です。

SGEから進化を遂げ、現在では多くのユーザーが日常的に利用しています。

効果的な対策を行うには、E-E-A-Tを意識した高品質なコンテンツ作成、構造化データの実装、そして継続的なSEO対策が不可欠です。

しかし、これらすべての対策を高いクオリティーで行うことは容易ではありません。

そのため、最新のAI情報を取り入れている代理会社に依頼することがおすすめです。

弊社デジタルトレンズでは、複数の自社メディアの運営を基に獲得した知見を基に、AIO対策を始めています。

企業様ごとの課題に合わせた施策の提案を行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

記事監修者の紹介

株式会社デジタルトレンズ 代表

姫野 慎太郎

京都大学経済学部卒業後、東証グロース上場企業である株式会社イトクロに新卒入社。

イトクロではメディア事業に従事し、海外拠点の立ち上げにも貢献。
2012年に退職後、株式会社デジタルトレンズを創業。

Web広告代理店事業からSEO対策、
Webメディア事業まで、幅広くWebマーケティング事業を展開。

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