Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告の運用ポイント！注目される理由や入稿方法なども解説

中国で多くのユーザーを抱える「Baidu（百度・バイドゥ）」という検索エンジンをご存じでしょうか。日本では馴染みが少なく認知度は低いかもしれません。

しかし、中国向けのマーケティングを検討している際はBaiduの存在も知っておき、広告運用などにも役立てたいところです。

本記事ではBaiduの概要やBaiduで出稿できる広告の1つであるリスティング広告の特徴などを解説します。

Baidu（百度・バイドゥ）とは

Baidu（百度・バイドゥ）は、中国最大の検索エンジンであり、世界でも有数のインターネットサービスプロバイダーです。中国国内での検索市場シェアは約90％を占めています。この膨大なユーザー数を背景に、Baiduは中国国内で影響力を持っています。

利用者数

Baiduの月間アクティブユーザー数は6億人以上で、1日の平均検索回数は100億回以上に及びます。この数字を見ても中国国内でのインターネット利用者の大部分がBaiduを利用していることがわかります。

さらに、スマートフォンからのアクセスが多く、モバイルユーザーの利用率も非常に高いです。

中国のインターネット事情

中国のインターネット事情は、他国と異なります。中国政府はインターネットの規制を強化しており、GoogleやFacebookなどの海外サービスは利用できません。このため、BaiduやWeChatなどの国内サービスが主流となっています。

このような背景からBaiduは単なる検索エンジンにとどまらず、さまざまなインターネットサービスを提供しています。たとえば、ニュース、地図、動画、写真、クラウドストレージなど、多岐にわたるサービスを展開しています。結果的にユーザーは1つのプラットフォームで多様なニーズを満たすことができるのです。

さらに、BaiduはAI技術の開発にも力を入れており、自動運転やスマートスピーカーなどの分野でも先進的な取り組みを行っています。Baiduは単なる検索エンジンを超えた、総合的なインターネットサービスプロバイダーとしての地位を確立しています。

Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告とは

Baiduのリスティング広告は、ユーザーがBaiduで検索を行った際に検索結果ページに表示される形式の広告です。ユーザーが特定のキーワードを入力すると、そのキーワードに関連する広告が検索結果の上部や右側に表示されます。

たとえば、ユーザーが「スマートフォン」を検索すると、スマートフォンに関連する広告が表示されます。このため、広告がユーザーの関心に直接訴求することができ、高い効果が期待できます。

Baiduのリスティング広告は、クリック課金制（CPC）を採用しています。これはユーザーが広告をクリックした際にのみ広告主が費用を支払う仕組みです。広告が表示されるだけでは料金は発生しません。クリック課金制の仕組みにより、広告主は費用対効果を高められます。

さらに、Baiduは中国国内で圧倒的なシェアを持つ検索エンジンであり、Baiduのリスティング広告は非常に広範なユーザーにリーチすることが可能です。

Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告が注目されている理由

Baiduのリスティング広告は、中国市場で注目されています。その理由を3点に分けてご紹介します。

利用者数の多さ

先述のとおり、Baiduは中国最大の検索エンジンであり、月間アクティブユーザー数は6億人以上に達し1日の平均検索回数は100億回以上です。

この膨大なユーザー数は、広告主にとって非常に魅力的です。多くの人々がBaiduを利用することで、広告が広範なターゲット層にリーチする可能性が高まるからです。

さらに、スマートフォンからのアクセスも多く、モバイルユーザーの利用率も非常に高いです。このように、Baiduの利用者数の多さは、広告効果を最大化するための重要な要素といえます。

中国では実質的に唯一の検索エンジン

中国では、GoogleやYahoo!などの海外検索エンジンが利用できないため、Baiduが実質的に唯一の大規模な検索エンジンとなっています。Baiduの市場シェアは約70％に達し、他の競合検索エンジンを圧倒しています。

この独占的な立場がBaiduのリスティング広告が非常に効果的である理由の1つです。加えてBaiduはリスティング広告を含む多様な広告形式を提供しており、企業のニーズに合わせた広告キャンペーンを展開することが可能です。

訴求力の高さ
Baiduのリスティング広告は、ユーザーの検索意図に基づいて表示されるため、高い訴求力が期待できます。さらに、BaiduはAI技術を活用しており、広告のターゲティング精度が高いことも特徴です。これにより、広告主はより効果的に広告を配信し、コンバージョン率を向上させられます。

Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告を入稿する方法

Baiduのリスティング広告を入稿する手順を6つのステップに分けて紹介します。

アカウントの作成

まず、Baiduの広告アカウントを作成します。公式サイトにアクセスし、必要な情報を入力してアカウントを開設してください。特に難しい点はないので、必要事項をもれなく入力しましょう。

キャンペーンの設定

次に広告キャンペーンを設定します。キャンペーンは、広告の目的やターゲットに応じて設定します。たとえば、ブランド認知度を高めるためのキャンペーンや、特定の商品を販売するためのキャンペーンなどです。キャンペーンの設定では、予算や期間、ターゲット地域を指定します。

キーワードの設定

その後、広告を表示するためのキーワードを選定します。ユーザーが検索する可能性のあるキーワードをリストアップし、その中から効果的なものを選びます。

広告文の作成

キーワード選定後は、広告文を作成します。広告文はユーザーの関心を惹く物にしましょう。タイトルと説明文を工夫し、クリックを促す内容にします。広告文は短く、わかりやすいものが好まれます。

広告の審査

広告文を作成したら、Baiduに審査を依頼します。広告は、Baiduのガイドラインに従っているかどうかを確認されます。審査に通過すると、広告が配信されます。審査には数日かかることがありますので、余裕を持って申請しましょう。

広告の配信と管理

広告が承認されると、指定したキーワードで検索が行われた際に広告が表示されます。広告のパフォーマンスを定期的に確認し、必要に応じて調整を行います。Baiduの広告管理ツールを使用すると、クリック数やインプレッション数、コンバージョン率などのデータの確認が可能です。

Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告の運用ポイント

Baiduのリスティング広告を効果的に運用するには、中国市場の特性を理解し、適切な戦略を立てる必要があります。

日本との検索手法の違いを考慮する

中国のユーザーは、日本とは異なる検索行動を取ります。たとえば、中国では音声検索の利用率が高く、長文での検索も一般的です。また、ピンイン（中国語のローマ字表記）を使った検索も多いです。これらの特徴を踏まえ、キーワード選定を行いましょう。

さらに、中国でも検索結果の上位表示を重視する傾向が強いです。そのため、広告の表示順位を上げるための入札戦略が重要になります。競合他社の動向を常に監視し、適切な入札額を設定しましょう。

バナーの品質を向上する

Baiduの広告では、視覚的要素も重要です。高品質なバナー広告を作成することで、クリック率を大幅に向上させられます。中国のユーザーは、鮮やかな色使いや動きのあるデザインを好む傾向があります。

また、中国語のフォントや文字の配置にも注意を払いましょう。プロのデザイナーに依頼するのも選択肢の1つです。

中国向けのSNSを併用する

Baiduのリスティング広告の効果を最大化するには、中国の主要SNSと連携したキャンペーンを展開してみましょう。WeChatやWeiboなどのプラットフォームを活用し、広告メッセージを拡散させてみてください。

たとえば、WeChatのミニプログラムを利用することで、広告からの誘導先を作成することができます。また、インフルエンサーマーケティングを活用し、製品やサービスの認知度を高めることも有効です。

サイト設計を中国向けにする

広告からユーザーを誘導するランディングページやウェブサイトは、中国のユーザーに最適化する必要があります。サイトの読み込み速度が遅いと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。

中国国内のサーバーを利用するか、CDN（コンテンツデリバリーネットワーク）を活用して、サイトの表示速度を向上させましょう。また、中国語の文法や表現に注意を払い、自然な文章を心がけてください。

さらに、モバイルファーストの設計が重要です。中国においてもスマートフォンからのインターネット利用が主流であるため、モバイル対応を徹底しましょう。

Baidu（百度・バイドゥ）のリスティング広告の効果測定方法

Baiduのリスティング広告の効果測定は、広告運用の成功に欠かせません。ここでは、Baiduのリスティング広告について、効果測定ができるツールを紹介します。

分析ツールの紹介

Baiduが提供する分析ツールを活用することで、詳細な効果測定が可能です。

Baiduの広告管理ツールでは消化金額、平均入札価格、クリック数、広告表示回数（インプレッション数）、クリック率（CTR）などが確認できます。

次に百度統計という無料の分析ツールを導入することをおすすめします。百度統計は、Google Analyticsに相当するツールで、リスティング広告とオーガニック流入の比較、エリア分析、離脱率の分析、コンバージョン数の把握などが可能です。

また、ユーザーデモグラフィック分析（新規ユーザー率、性別、職業など）やSEOアドバイス機能も搭載されており、広告だけでなくオーガニック検索の改善にも役立ちます。

A/Bテストの実施

分析ツールを使いつつA/Bテストを実施することも重要です。A/Bテストは、異なる広告バージョンを比較し、どちらがより効果的かを検証する方法です。たとえば、異なる広告文や画像を用意し、それぞれのパフォーマンスを比較します。その結果、最も効果的な広告を見つけることが可能です。

広告費用対効果（ROI）を計算する

さらに広告費用対効果（ROI）を計算してください。ROIは、広告に投資した金額に対して得られた利益を示します。具体的には、広告から得られた収益を広告費用で割ります。この指標を用いることで、広告キャンペーンの経済的な効果を評価できます。

Baidu（百度・バイドゥ）の広告種類

Baiduは、中国市場で非常に多様な広告形式を提供しています。これにより、企業はターゲットユーザーに効果的にリーチできます。以下では、主な広告形式を簡潔に解説します。

アドネットワーク広告

アドネットワーク広告は、Baiduの検索結果ページ以外のウェブサイトやアプリに広告を表示する形式です。この広告形式は、広範なユーザー層にリーチするために有効です。Baiduのアドネットワークは、多くの提携サイトやアプリと連携しており、広告主はこれらのプラットフォームを通じて広告を配信できます。

インフィード広告

インフィード広告は、ニュースフィードやSNSフィードの中に自然に溶け込む形式の広告です。ユーザーの閲覧体験を妨げずに広告を表示することができるため、高いエンゲージメントを期待できます。Baiduのインフィード広告は、特にモバイルユーザーに対して効果的です。

この広告形式はユーザーがコンテンツを消費する流れのなかで広告を表示するため、広告が目立ちやすく、クリック率が高い傾向にあります。

ブランドリンク広告

ブランドリンク広告は、特定のブランドや製品に関連する検索結果の上部に表示される広告です。この広告形式は、ブランド認知度を高めるために非常に効果的です。Baiduのブランドリンク広告は、ユーザーが特定のキーワードで検索を行った際に、検索結果の目立つ位置に広告を表示します。

まとめ

Baiduは中国で圧倒的なユーザーを誇る検索エンジンです。広告出稿も可能であり、ユーザー数の多さから効果を期待できます。

ただし、中国のユーザーは日本のユーザーと異なる検索行動をとるため、それを見越した戦略立案が大切です。

中国向けのマーケティングに取り組む際は、Baiduの利用を検討し、適切な施策を実行していきましょう。